我々はパクリタキセル結合タンパク質の候補としてヒトFIGNL1を同定した.超解像蛍光顕微鏡を用いた観察でFIGNL1は微小管のアセチル化チュブリンに高頻度に結合することが観察された.さらにFIGNL1ノックダウン細胞においてチュブリンの重合とアセチル化は共に著しく増加し,パクリタキセルに対する耐性を低下させた.またタンパク質 - リガンド結合のin silico 解析から,パクリタキセルがFIGNL1の二量体化で新たに形成された表面ポケットへ結合することが予測された.パクリタキセルが活性型FIGNL1多量体への結合を通じてアセチル化微小管切断酵素作用を抑制する可能性を考える.
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