マイクロRNA(miR)は遺伝子発現制御を介して、がんの発症、進展に深く関与する。本研究では、miR を分子標的としたがんの新たな治療法開発の基盤を築くために、標的候補として見出したmiR-197阻害剤について特異性・細胞選択性及び妥当性の評価を実施するとともに細胞増殖抑制効果について詳細な検討を行った。その結果、miR-197阻害剤により細胞内のDNA損傷修復因子の発現が低下することが細胞増殖抑制のメカニズムの一端であることが明らかとなった。また、miR-197 阻害剤と相乗的な細胞増殖抑制効果を示す既存の抗がん剤を見出した。
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