研究課題
若手研究(B)
環境変動ストレスへの応答機構の解明は生物の適応戦略を知る上で重要である。分裂酵母ではグルコース飢餓に応答して非コードRNAに依存した遺伝子発現制御が観察される。数多くの非コードRNAの普遍的な分子機能が報告されているがその意義やダイナミクスは殆ど未解明である。本研究は、ミクロな分子レベルでの非コードRNAを介した遺伝子制御がマクロな細胞・細胞集団レベルで適応に寄与する原理を実験・理論の両面から検証した。
細胞生物学
lncRNA依存的な遺伝子発現の制御メカニズムを分子レベルで解明するだけでなく、マクロな細胞集団レベルでの適応における役割を検証し、従来の分子生物学の枠にとらわれない新たな切り口で現象を説明した。厳しい栄養飢餓環境下で、能動的な移動手段を持たない単細胞生物が、環境にうまく適応して自らのリネージが生き延びるリスクヘッジの様子を、実験・数理モデルの両面から説明した。