本研究により、これまで着目されてこなかった、海洋島における鳥類進化の新しい側面が明らかになった。また、カラスバトの海洋島環境への適応とその生態系機能を示唆する成果が得られた。カラスバトの保全においては、その広範囲な移動を考慮して保全単位を決定する必要があると考えられる。また、カラスバトの島間移動と食物資源との関連については、より詳細な調査を行う必要がある。島嶼性ハト目の多くは絶滅危惧種に指定されていることから、本研究は、その進化プロセスや生態特性を考慮した保全策を検討する上で重要な情報を提供しうると考えられる。
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