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2016 年度 実施状況報告書

ほ乳類の性決定に関わる新規エピゲノム制御因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16K18492
研究機関徳島大学

研究代表者

岡下 修己  徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 助教 (10757933)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード性決定 / エピジェネティクス / Sry
研究実績の概要

ほ乳類の「性」はY染色体の有無という先天的ゲノム情報によって決まる。一方で、エピ(後天的)ゲノムが性決定に果たす役割はほとんど分かっていなかった。Y染色上にある性決定遺伝子Sryが胎児期の生殖腺で一過的に発現することで個体を雄へと誘導する。本研究室では、ヒストン脱メチル化酵素のひとつJmjd1aがSryの発現を正に制御することでマウスの性決定に関わることを明らかにした。しかし、Jmjd1a 以外の性決定に関与するエピゲノム制御因子及び性決定メカニズムの全容は未だ明らかになっていない。
Jmjd1a欠損マウスは雌雄への分化が拮抗した状態になっており、精巣と卵巣を両方持つ個体が観察される。そこで本研究では、Jmjd1a欠損の遺伝子背景においてエピゲノム制御因子をヘテロ欠損させ、Jmjd1a欠損マウスの性決定に対する影響の有無を観察することで、性決定に関わる新規エピゲノム制御因子の同定ができるのではないかと考え解析を行った。
今回、ヒストンH3・リジン9(H3K9)のメチル化制御因子及びDNAのメチル化制御因子をSryの発現制御に関わる候補因子とし、各々の欠損マウスの樹立を行っていた。現在、すべての候補因子の欠損マウスは樹立できており、Sryの発現制御に関わる新規のエピゲノム制御因子の絞り込みを行っている。
いくつかの候補因子に関して、Sryの発現制御に関わる可能性を示す結果が得られており、その因子によるエピゲノム修飾を介したSryの発現制御メカニズムの解明を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度、目標にしていた候補因子を欠損したマウスの樹立はすべて完了しており、いくつかの候補因子に関してはSryの発現制御に関わる可能性を示す有用な結果も得られている。

今後の研究の推進方策

Sryの発現制御に関わる可能性を示している候補因子に関しては、その因子によるエピゲノム修飾を介したSryの発現制御メカニズムの解明を行を行う。
絞り込みの終わっていない候補因子に関しては、性転換の表現型を解析することでSryの発現制御に関わるのか否か解析を行う。Sryの発現制御に関わる可能性を示した場合、同様にエピゲノム修飾を介したSryの発現制御メカニズムの解明を行を行う。
以上の解析を進めることで、エピゲノム制御を介した性決定メカニズムを明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

以下の2つの理由が挙げられる。1、予定より早く欠損マウスの樹立ができたため、欠損マウス作製に必要な試薬及びマウス維持費が抑えられた。2、予測より多くのSry発現制御に関わる候補因子が同定できそうであったので、次年度に行う予定であった分子生物学的手法を用いた候補因子によるSry制御メカニズム解析に多くの予算が必要になるため、今年度の予算を次年度に使用することにした。以上の理由により次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

分子生物学的手法を用いた候補因子によるSry制御メカニズム解析及びマウス維持費に用いる。

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公開日: 2018-01-16  

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