研究課題/領域番号 |
16K18497
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉田 圭介 国立研究開発法人理化学研究所, 石井分子遺伝学研究室, 特別研究員 (80587452)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | エピジェネティクス / 感染ストレス |
研究実績の概要 |
今年度は、精巣生殖細胞におけるATF7のエピジェネティック制御の役割と感染ストレスによるエピジェネティック変化について明らかにするため、解析を進めた。ATF7タンパク質は、精巣生殖細胞の各分化ステージで発現が見られるが、特にSpermatogoniaとSpermatocyteで高発現している。また、ATF7は過去の解析から、H3K9トリメチル化酵素であるESET及びH3K9ジメチル化酵素であるG9aとの相互作用が確認されているので、ATF7は上記のような生殖細胞種において、ヘテロクロマチン形成に関与するヒストン修飾を制御していることが予想された。そこで、野生型及びATF7ノックアウト変異体マウスの精巣組織からMACSとFACSを用いて、これら分化段階の生殖細胞を95%以上の純度で精製・回収し、修飾ヒストンのChIP-qPCRを行った。代表的なATF7の結合領域について調べた結果、H3K9ジメチル・トリメチル化及びH3K27トリメチル化レベルがATF7ノックアウト細胞において有意に減少していた。次に、修飾ヒストンのChIP-seq解析に向けて、2x10^6細胞のSpermatogoniaを用いてATF7のChIP-seq解析を行った。その結果、240箇所のATF7結合が確認されたが、IPの濃縮率が高くないため、ChIP条件を改善すると共に、より多くの細胞数を調製できる精巣生殖細胞の全画分での解析に切り替えていく予定である。また、感染ストレスが与える生殖細胞のエピジェネティック状態への影響を調べるため、LPS投与したマウスからSpermatocyteを回収し、修飾ヒストンレベルの変化をChIP-qPCRで評価している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生型及びATF7ノックアウト変異体マウスから順調に生殖細胞のChIP-seqサンプルの調整、LPS投与による成熟精子でのエピジェネティック変化の解析を進めており、問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、野生型及びATF7ノックアウト変異体マウスの精巣生殖細胞のエピジェネティックプロファイルをchIP-seq方で解析する他、最終的に次世代へのエピジェネティック情報を伝達する成熟精子の解析に注力する。成熟精子において、ヒストン修飾などのエピジェネティック状態の変化が誘導されるLPSの投与条件を速やかに決定し、LPS投与によって誘導される精巣生殖細胞・成熟精子・次世代の体細胞のエピジェネティック変化の理解に尽力したい。
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