研究課題
若手研究(B)
父親の環境ストレスの影響が世代を超えて、次世代の子供の表現型・疾患に影響を与える現象が知られている。本研究では、「父親が病原体感染した時、子供の免疫力に影響があるか?」また、その分子メカニズムの解明についてマウスを用いて解析を行った。その結果、免疫ストレスを受けた父親マウスでは、精子に含まれる特定のメチル化ヒストンの量が変動していることが観察された。また、免疫ストレスを受けた父親マウスから生まれた子供は、炎症反応に必要な遺伝子の活性化が亢進していた。
分子生物学
今回の結果から、父親の病原体感染ストレスが次世代個体の免疫細胞の活性化状態に影響を与える可能性が示唆された。観察された免疫細胞の活性化が、個体の長期的恒常性に対して有利・不利に働くかはまだ解析が必要だが、子供を持つ予定の父親が自身の病原体感染の子供への影響を留意する必要がある可能性が考えられた。