本研究は、糖鎖分解酵素ヒトノイラミニダーゼ1(NEU1)の分子構造を決定することによって、その変異が、なぜNEU1のノイラミニダーゼ活性を減少させ、リソソーム病を引き起こすのかを解明することを目的としている。 本研究期間では、NEU1細胞内結晶を抽出するための従来の手法を大きく改善させ、NEU1細胞内結晶からX線回折データの収集に成功した。また、抽出した結晶を一度溶解させ、精製することで、良質なタンパク質を調製することにも成功した。以上の成果は、今後のNEU1の再結晶化と構造決定に繋がる進展のみならず、他の細胞内結晶化蛋白質にも応用することが可能なものである。
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