緑膿菌の院内感染は免疫力が低下した癌患者や高齢者にとって致命的である。我々は緑膿菌が感染時に毒素を分泌する際に用いるⅢ型分泌装置の機能メカニズムを解明し、これを標的とする感染阻害薬の開発につながる知見を得ることを目指している。以前に我々は、注射器型のⅢ型分泌装置が針の部分を回転させることを見出した。この知見に基づいて本研究では、針の回転と毒素タンパク質の分泌が相関する可能性を見出した。さらに、Ⅲ型分泌装置の機能メカニズムをより詳細に解析するための実験系を構築するために必要ないくつかの知見を得た。
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