軸索側枝形成には、既存の主軸索の特定の地点から軸索が新たに形成され、それぞれが異なる目的地へ投射される必要がある。申請者らは、(1)Dscamが軸索側枝形成のマスター因子であること、(2)Dscamシグナルの時空間制御が軸索側枝形成に必要であることをこれまでに見出してきた。本研究では、これまで不明だったDscamシグナルの分子機構を明らかにすることができた。本成果は、軸索側枝形成の分子機構の解明に大きく貢献するばかりでなく、損傷を負った軸索に対してDscamシグナルを時空間操作することによって軸索側枝の形成を誘導し、軸索を再生させることができる可能性を提示することができた。
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