研究課題
若手研究(B)
オートファジーはヒトをはじめとした真核生物に見られる細胞内分解機構である。オートファジーは短時間の栄養飢餓で活発に起こるが、我々はオートファジーが長期の饑餓では停止することを見出した。オートファジー停止に関与する遺伝子の探索を行い、新規因子Tag1を同定した。Tag1の機能解析の結果、Tag1はAtg1プロテインキナーゼを介したAtg13タンパク質のリン酸化により、オートファジーを終結させることを明らかにした。
細胞生物学
現在、オートファジーを薬剤により誘導させることで、関連疾患の治療が試みられている。しかし、オートファジー特異的な誘導薬はまだ存在せず、その開発が期待されている。本研究において、オートファジー停止を阻害することで、過剰なオートファジーを起こすことに成功した。このため、「オートファジー停止を阻害する」という、オートファジー誘導のための新たな作用点を見出した。また、オートファジーの後期過程の分子機構は知見が乏しいため、その点を明らかにした本研究は、基礎研究の観点から見ても新規性は大きなものである。