本研究では、細胞質分裂に異常を示すマウス温度感受性変異株tsFT50、及びtsFT101の原因遺伝子が、フォルミンファミリーの一つであるDiaph3であることを突き止めた。Diaph3の欠損細胞も温度感受性を示すことから、Diaph3の必要性は温度に依存することが新たにわかった。一方、Diaph3は一部のがん細胞で高発現しており、その悪性化に関与しているという報告もある。Diaph3は細胞分裂に重要な遺伝子であるが、本研究結果が示すように、その必要性をコントロールすることができれば、Diaph3を標的とした安全ながん治療が可能になることが考えられる。
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