本研究で明らかにした膜構造を介したシリア位置の制御様式にはPlanar Cell Polarity (PCP)経路が関与している。PCP経路のシリアの位置制御への関与は、マウスやアフリカツメガエルで報告がある。ホヤを用いた本研究によりその機能が脊索動物全体で保存されていることを明らかにした。また、本研究で示した様に膜構造が引張力によりシリア位置の制御に働くことは他の研究では示されておらず、新しいシリア位置制御様式を提唱することができた。シリアの位置決定は発生生物学分野のみならず、医学研究において重要な役割を持つため、本研究により幅広い分野にインパクトをもたらすことができた。
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