密着結合は上皮バリアの実体であると共に、張力の制御や上皮極性の形成・維持にも重要だと考えられているが、その仕組みは十分理解されていない。本研究では、密着結合の裏打ちタンパク質であるZO-1とZO-2を欠損した細胞を作成した。その結果、ZO-1/ZO-2欠損細胞では密着結合が形成されず上皮バリアが破綻したのに加え、張力の異常な亢進および上皮極性の異常が認められた。また、3次元培養下ではシスト形成に異常が認められた。一方で、接着結合を攪乱した細胞においては、このような異常はほとんど認められなかった。これらの結果から、ZO-1/ZO-2は密着結合形成を介して上皮極性を制御していると考えられた。
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