研究課題
遺伝性潜性パーキンソン病の原因遺伝子産物であるParkinはRBR型に分類されるE3酵素であるが、普段はその活性が自己抑制のためにオフに制御されている。代表者を含む複数の研究グループから、リン酸化ユビキチンがParkinのE3活性の活性化因子であることが報告され、Parkinの活性化制御機構の理解が飛躍的に進んだ。しかし、Parkin以外の残り13種類のRBR型E3酵素のほとんどは上述の自己抑制のため、その機能や分解基質は未だに全く不明である。本研究では、代表者がParkin分野の研究で培った知識と技術をさらに発展させると同時に、未だ不明であるRBR型E3酵素の活性化メカニズムを解明することを目的とした。Parkinは活性型となると、膜電位の消失した損傷ミトコンドリアにリクルートし、その外膜タンパク質を分解基質とすることがわかっている。そこで損傷ミトコンドリア上で、Parkinにユビキチン分子を付与するE2酵素を、Fluoopiと呼ばれる細胞内でタンパク質間相互作用を検出できる技術を改変し、用いることで、同定した。さらにこの技術を、免疫応答に重要であるLUBAC複合体のサブユニットHOIPに応用したところ、TNF-alphaの刺激依存的にHOIPがE2酵素の一つであるUbcH7と相互作用することがわかり、この技術がRBR型E3酵素とE2酵素との相互作用を調べる上で有用な技術であることを示すことができた。さらにこの技術を適応することで、あるRBR型E3酵素は、核内で活性化し、複数のリング状の構造を形成することを見出し、また別のRBR型E3酵素は、脂肪滴に局在することがわかった。
ユビキチンプロジェクトHPhttp://www.igakuken.or.jp/protein/index.html
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