これまでに、オレンジカロテノイドが強光からの光化学系の保護に寄与することは示されていたが、そのメカニズムは議論があった。我々の結果は、オレンジカロテノイド依存的なNPQが、活性酸素種の一種である一重項酸素の発生を抑えることで酸化ストレスに弱い翻訳伸長反応の保護につながり、その結果として光阻害につながったことを示した。さらに、シアノバクテリアに存在する2つのサイクリック電子伝達経路(NDH, PGR5)のうち、PGR5経路の生理的意義について研究事例はほとんどなかったが、本研究により、PGR5経路は光環境変動時に何らかの役割を果たすことが示唆された。
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