研究課題
若手研究(B)
両生類の変態では,尾の退縮や四肢の形成などのダイナミックな形態変化が起こる。さらに,血球や小腸では,それまで機能していた幼生型細胞が細胞死によって除去される一方,成体型の機能を持った細胞が増殖・分化することで成体型組織を再構成すると考えられている。本研究において、成体型細胞の起源を明らかにすることができなかったが、細胞系譜の追跡技術の基盤をツメガエルでも整えることができた。一方、変態期の尾部におけるヒレの退縮において、特異的に細胞死を誘導する分子機構を示唆することができた。
発生生物学
発生過程における細胞の系譜について、これまで初期発生を中心に解析が行われてきた。後期発生で起こる両生類の変態は、一度構築した幼生型器官から成体型へと形態・機能的な変化を遂げる。本研究によりツメガエルにおいて細胞系譜を追跡、および細胞死誘導機構を明らかにすることによって、後期発生における器官形成機構を理解することが期待できる。