本研究ではショウジョウバエ雄の求愛行動制御に関わる2つの視覚系介在ニューロン群を見出した。これらのニューロン群を強制活性化すると、雌に対する定位行動の一部である「歩行ターン」が惹起された。歩行ターンを惹起可能な視覚刺激の呈示下でこれらのニューロン群はCa2+応答を示し、その応答強度は雄の歩行ターンに伴って顕著に増大した。GRASP解析からは、これらのニューロン群がoptic tubercleにおいてシナプス接続を有することが示唆された。これらのニューロン群が視覚誘導性の求愛行動要素の発現制御に関わる神経経路の一部を構成することが示唆された。
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