本研究では、緑藻クラミドモナスの走光性の分子機構に関与するか否かを検証することを目的として、ホヤ精子より同定された青色光受容ドメインを持つ新規軸糸タンパク質DYBLUPのホモログ「MOT7」の分子特性を解析した。本研究期間において、主に以下の2つを明らかにした。 (1)免疫沈降実験により、MOT7は内腕ダイニンfに直接結合する軸糸タンパク質と結合することがわかった。(2)走光性実験により、野生株では始め青色光に集まり、時間が経つにつれ分散したが、MOT7欠損株では時間が経ってもほとんど分散しなかった。この結果は、MOT7は走光性の分子機構において青色光に対する順応性に関与する可能性が示された。
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