研究課題/領域番号 |
16K18593
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
進化生物学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
川口 眞理 上智大学, 理工学部, 准教授 (00612095)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | hatching enzyme / egg envelope |
研究成果の概要 |
ミナミメダカには、アミノ酸配列がよく似るが至適塩濃度が異なる2種類の孵化酵素HCEが存在する。胚は淡水と海水で孵化できることから、多様な孵化環境に適応していると考えられる。両者でアミノ酸変異が見られる部位に一方を基に他方のアミノ酸残基に置き換えた変異HCEタンパク質を作製した。その結果、複数のアミノ酸残基の変異によって至適塩濃度の違いが生じていることが示唆された。さらに、メダカ属の5魚種のHCE遺伝子のクラスター構造を決定し、各魚種のHCEの至適塩濃度を調べた。その結果、3か所のアミノ酸残基が至適塩濃度の違いに大きく寄与している可能性が高いことが示唆された。
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自由記述の分野 |
進化生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特色は、第一に、タンパク質レベルの実験を通して適応進化を論じる点である。本研究は、多重コピー遺伝子の活性の多様性と適応進化との関係について考察するもので、これによって進化生物学の分野に重要な知見を提供できると確信する。第二に、DNAレベルとタンパク質レベルの実証可能な実験系を導入して、マクロな多様化のメカニズムの解明にアプローチしている点である。タンパク質の機能を実際に観察しながら、具体的にどの部位のどのアミノ酸変異が環境への適応や生物の多様化に関わっているのかを詳細に解析しようとする点も、本研究の重要な特色である。
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