カマアシムシ目は祖先に最も近い昆虫として注目されるが、どのようにして触角を退化させたのかや、脳構造の詳細についてはわかっていなかった。 本研究により、カマアシムシ目の前大脳には8つのモジュール構造をそなえる扇状体がみられ、昆虫の祖先の脳も同様の特徴をもっていた可能性が示された。カマアシムシ目は昆虫で唯一触角を欠くが、触角体節の神経節である中大脳は観察されたことから、触角は付属肢の退化により失われたことが示された。一方触角の代替として用いられる前脚の神経は、味顎神経節で味覚を受容することが示された、この特徴は六脚類の祖先形質である可能性もあり、触角の欠失の前適応状態を示すものかも知れない。
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