研究課題/領域番号 |
16K18617
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 統計数理研究所 (2018) 名古屋大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
山本 誉士 統計数理研究所, データ同化研究開発センター, 特任研究員 (70637933)
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研究協力者 |
依田 憲 名古屋大学, 大学院環境学研究科
Quintana Flavio IBIOMAR-CONICET
Blanco Gabriela S. IBIOMAR-CONICET
Laich Agustina Gómez IBIOMAR-CONICET
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 保全 / 行動計測 / バイオロギング / 非繁殖期 / 採餌行動 / 空間動態 |
研究成果の概要 |
アルゼンチンで繁殖する潜水採餌に特化したマゼランペンギンと、飛翔・潜水採餌をおこなうキバナウに動物装着型データロガーを装着して、繁殖期と非繁殖期の採餌行動と移動を記録した。これまでの解析では、マゼランペンギンの非繁殖期の移動生態について明らかにし、体サイズの違いに伴う潜水能力および温度耐性の差が、空間利用の性差に起因している可能性を示した。一方、キバナウは非繁殖期にはほとんど移動せず、潜水に特化したマゼランペンギンと飛翔・潜水採餌をおこなうキバナウでは、採餌におけるコストとベネフィットの違いが空間利用の特徴(生息分布)に影響していると考えられる。
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自由記述の分野 |
行動生態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マゼランペンギンは冬になると毎年数千羽がストランディングし、特にメスで死亡率が高い。本研究の結果、マゼランペンギンの非繁殖期の利用海域には雌雄差がみられ、メスが主に越冬している海域は、船舶の往来や油田開発、漁業などの人間活動が盛んな海域と重複していることが明らかになった。マゼランペンギンは、一部の繁殖地で近年個体数の減少が危惧されている。これまで種の保全に関する議論や活動では、多くの場合、繁殖期の生息域のみが考慮されている。本研究の成果は、生物の保全において繁殖期・非繁殖期を含む1年を通した生息域の特定の重要性、そして空間分布動態の種内差を考慮した保全海域設定の必要性を提唱した。
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