クモに寄生するクモヒメバチという寄生バチがクモの造網行動を操作し、網を自身にとって有利な形状に改変させる“網操作”という寄主操作現象に着目し、寄主(クモ)と寄生者(ハチ)の両面からRNA-seq解析によってその分子機構解明に着手した。 扱った系では、ハチがクモの生得的な造網行動(脱皮前に張る休息網)を操作行動のモデルとしていることがわかっており、比較対象として通常の円網を張っている個体とモデルとなっている休息網造網中の個体を設定した。その結果、操作されている個体と休息網造網中の個体の間で特定のクモ糸遺伝子アイソフォームが高発現しており、操作の鍵遺伝子となっている可能性が示唆された。
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