生物多様性の維持メカニズムの解明は種の起源とならぶ生態学の大問題であり、多様性喪失の危機に直面している現在、学問的にも社会的にもますますその重要性は増している。この問題を解くために、生態学はこの数十年の間、「生物種間相互作用のネットワーク構造と生物群集の安定性」の関係を議論してきた.本研究の成果により、生態学の古典的問題である、理論上複雑な生態系ほど不安定にあるが現実世界では安定である矛盾を解消する新たなしくみを提案できた。これにより、自然生態系のバランスの仕組みを理解する基礎的な知見を提供することができた。
|