本研究では日本全国100地点を超える集団からハクサンハタザオを収集し、その全ゲノム情報、分布情報、1キロメッシュ精度での環境情報、そして気候シュミレーションが推定した将来的環境情報を得た。ゲノム情報と環境情報のゲノムワイド関連解析(GWAS)によって特定した適応遺伝子の対立遺伝子(祖先型または派生型)の分布情報をもとにニッチモデリングを行ったところ、多くの適応遺伝子で祖先型と派生型の対立遺伝子間で適地が異なり、温暖化に対する応答にも差が生じることが示唆された。この結果は、同じ種であっても遺伝的構成によって適地や気候変動に対する応答が異なることを示している。
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