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2016 年度 実施状況報告書

カンキツ果実におけるCitCCD4の転写因子の単離および機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K18650
研究機関静岡大学

研究代表者

張 嵐翠  静岡大学, 農学部, 特任助教 (20767371)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードカロテノイド / β-シトラウリン / CCD4 / カンキツ
研究実績の概要

β-シトラウリンは、赤色のC30のアポカロテノイドであり、この色素がカンキツ果実のフラベド(果皮部分)に蓄積することにより、果実は赤みがかった濃い橙色を呈する。CitCCD4はβ-シトラウリンを生合成に関わる重要な酵素遺伝子であり、β-シトラウリンの蓄積したカンキツ果実のフラベドにおいてのみ遺伝子の発現が認められる。
本研究課題では、このCitCCD4遺伝子の発現を制御する転写因子を単離し、アグロインジェクションを用いて、単離した転写因子の機能解析を行う。
平成28年度は,マイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析により,β-シトラウリン生成に関わるCitCCD4の転写因子と想定される候補遺伝子を探索した。CitCCD4の遺伝子発現は,β-シトラウリン含量が高いウンシュウミカンの‘山下紅早生’で高い発現レベルを示し,一方,β-シトラウリンが蓄積しない‘宮川早生’では非常に低い発現レベルを示すことが分かっている。この品種間差を利用するために,緑色時期の9月,果皮色が変わりはじめる10月,着色した12月の‘山下紅早生’と‘宮川早生’を使用し,フラベド(果皮部分)からRNAを抽出した。2品種における遺伝子発現解析をマイクロアレイにより行った。2品種間において2倍以上の遺伝子発現レベルに差がある遺伝子の中から、CitCCD4と類似した発現パターンを示した3種類の転写因子とされる候補遺伝子を選定した。これらの候補遺伝子についてリアルタイムPCRによる遺伝子発現解析を行ったところ,CitCCD4と類似し‘山下紅早生’のみ9月から12月にかけて急速な増大が認められた。今後、これらの候補遺伝子について、機能解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は、β-シトラウリンを蓄積するウンシュウミカンの‘山下紅早生’とβ-シトラウリンを蓄積しない‘宮川早生’のフラベド(果皮部分)からRNAを抽出し、マイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析を行った。‘山下紅早生’および‘宮川早生’における結果を比較したところ、2品種間において2倍以上の遺伝子発現レベルに差がある遺伝子の中から、CitCCD4と類似した発現パターンを示した3種類の転写因子とされる候補遺伝子を選定した。
これらの結果から、次年度以降に予定している転写因子の機能解析に繋がる研究成果を得ており、本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、平成28年度に選定したCitCCD4の転写因子の機能解析を行う。転写因子の機能解析は、CitCCD4のプロモーター領域を、アグロバクテリウムを用いて組み込んだタバコを用いる。プロモーター領域を導入したタバコに、一過性発現ベクターにライゲートしたCitCCD4の転写因子を導入し、選定した候補の遺伝子がCitCCD4の転写因子として機能するか調査する。
また、‘山下紅早生’および‘宮川早生’のフラベドを用いてRNA-seq解析を行い、CitCCD4の転写抑制因子についてもスクリーニングを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度に、本研究課題に必要な分析を行うための機器の購入に一部を充てる必要が生じたため。

次年度使用額の使用計画

本研究課題に必要な分析で使用する機器の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Accumulation of β-cryptoxanthin fatty acid esters during fruit maturation in citrus fruit2016

    • 著者名/発表者名
      馬 剛・眞殿祐樹・飯田康平・張 嵐翠・八幡昌紀・山脇和樹・加藤雅也
    • 学会等名
      園芸学会平成28年度秋季大会
    • 発表場所
      名城大学(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2016-09-10 – 2016-09-12

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公開日: 2018-01-16  

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