病原体は感染時に主な炭素源として糖を植物から吸収することで増殖する。しかし一方で、病原体の糖摂取に対抗する手段を植物が備えているかは不明であった。本研究では、シロイヌナズナの糖トランスポーター遺伝子破壊株は病原細菌に対して罹病性が高まること、また糖吸収活性は免疫応答活性化時に増強することを見出し、免疫戦略としての糖トランスポーター制御に着目し解析を行った。その結果、糖トランスポーターSTP13が病原体認識受容体と複合体を形成し、リン酸化を受けることで糖吸収活性が増強されることを見出した。本研究により、植物には糖トランスポーターを制御することで病原体の糖摂取を阻止する機構があることが示された。
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