放線菌は医農薬として利用される有用天然物の生産者であり、近年のゲノム解析から一菌株当り20以上の有用天然物を生産する能力があることが示唆されている。本課題ではミコール酸含有細菌による放線菌休眠二次代謝遺伝子の活性化機構に関わる遺伝子の同定を目的に研究を行った。共培養時の網羅的転写再解析の結果、放線菌転写変動遺伝子の数は8時間で全遺伝子の約2割にも及んだ。また、非応答性の放線菌変異株スクリーニングを行い、現在16株のゲノムリシーケンスからいくつかの二次代謝産物生産に関わる変異遺伝子の同定に至った。今後の更なる解析により活性化の分子機構を明らかにすることを現在目指している。
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