本研究では、カロリー制限飼料を摂取させたマウスにデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を飲水させることにより大腸炎を誘発させたところ、DSS誘発大腸炎による体重の減少や摂取カロリーの減少がカロリー制限で軽減した。また、大腸炎による大腸の萎縮および損傷がカロリー制限により軽減した。大腸における炎症性サイトカインのmRNA発現はカロリー制限で低下し、大腸に浸潤するキラーT細胞、樹状細胞、B細胞の割合が有意に低下した。以上の結果より、カロリー制限は大腸への免疫細胞の浸潤および炎症性サイトカイン産生を抑制することで大腸炎軽減効果を示すことが示唆された。
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