アセチル化ケルセチンの生理活性がケルセチンの生理活性よりも増強する起因を解明するため、ケルセチンの1~5箇所のヒドロキシル基のアセチル修飾を行い、その合成に成功した。十分量得られた3Ac-Q、4Ac-Q、5Ac-Qを用いて、ヒト大腸がん細胞におけるアポトーシス誘導能および腸管吸収透過性や人工膜透過性、ヒト肝臓がん細胞を用いた代謝産物の違いを測定した結果、アセチル化体は膜透過性を向上させること、また、アセチル基の数ではなく、アセチル化される位置に生理活性増減が寄与すること、アセチル化体の代謝速度は、ケルセチンより遅く、その結果、生体内に長く留まり、効果を発揮する可能性があることが明らかになった。
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