アスナロ属は日本の固有属で、太平洋側を中心に分布するアスナロと、主に日本海側に分布するヒノキアスナロの2変種で構成される。両種は気候に対する局所適応のため遺伝的に分化している可能性があることから、トランスクリプトーム解析により、変種間で分化している遺伝子の探索を試みた。1月上旬に採取した葉試料を解析したところ、ヒノキアスナロでは耐病・耐ストレス関連遺伝子の特異的な発現が見られた。一方アスナロでは花成や開花調節に関連する遺伝子の発現量が高かった。このことから、アスナロ属は変種間で気候に対する応答性が異なる可能性が示唆された。
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