研究課題
近年地球規模の環境変動と持続型社会の構築が求められる中、地球所で最大規模の生合成産物である植物バイオマスをエネルギー資源として利用するための多面的な研究が急務である。なかでも植物を効率よく分解出来る腐朽菌の植物分解機構を理解するための研究が進んでいる。本研究では、木材腐朽菌の中でも未解明な立木加害性の白色腐朽菌ベッコウタケに着目して、多面的なオミクス解析手法により本菌の植物分解機構を包括的に理解することを目指す。ベッコウタケは北海道大学構内をはじめ、日本中で甚大な倒木被害を引き起こしている。それら情報を元に植物バイオマスの利用への一助となる知見を得ることを目標としている。本年度は、本研究において単離したベッコウタケの本菌のゲノム情報を取得した。その情報を元に、他の糸状菌ゲノムと植物成分および抽出成分の分解ポテンシャルを比較した。その結果、糖質関連酵素(CAZy)においてほとんど同じ遺伝子を保有していた。またこの配列情報をデータベースとして、抽出成分を添加した培養系で得られたタンパク質をプロテオーム解析することで、植物成分の分解に関連する酵素を同定した。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件) 学会発表 (5件)
J. Sci. Food Agricul.
巻: 99 ページ: 529-535
DOI, https://doi.org/10.1002/jsfa.9211
J. Biosci. Bioeng.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
DOI: 10.1016/j.jbiosc.2018.11.006.
DOI: 10.1016/j.jbiosc.2019.03.002.
Frontiers in Microbiol.
DOI: 10.3389/fmicb.2019.00316.
Plant Physiol.
巻: 179 ページ: 1796-1809
https://doi.org/10.1104/pp.18.01133
Appl. Environ. Microbiol.
巻: 84 ページ: e01133-18
10.1128/AEM.01133-18.
J. Wood Sci.
巻: 64 ページ: 845-853
10.1007/s10086-018-1770-4
Biomacromolecules
巻: 19 ページ: 2889-2895
10.1021/acs.biomac.8b00454