研究課題/領域番号 |
16K18765
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
副島 久実 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 講師 (40455499)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 雑魚 / 漁業者グループ / 水産物流通 |
研究実績の概要 |
本研究は、現在の量販店主導型の水産物流通システムの中では“雑魚”として扱われてしまっている水産物を積極的に流通させようとする主体に注目し、雑魚流通の取引における垂直的な調整システムの実態と課題を明らかにし、雑魚流通をめぐる水産物流通の新展開の特徴を、フードシステムの構造変化の影響と関連付けて明らかにすることである。主に操業される漁業特性や生態学的特性等から、元来、多種多様な水産物が多く水揚げされてきた瀬戸内海地区を中心に、実態調査を中心として、現在、どのようにして雑魚流通が繰り広げられているのか、そして再構築されようとしているのかを検討しようとするものである。 本年度は、主に山口県の瀬戸内海側の地区で漁業者グループと地元量販店が連携して、スーパーで漁業者が直接販売している事例や雑魚を加工することで収益をあげようとしている漁業者グループなどを事例として実態調査を行った。 その結果、地元量販店にとっては地魚が差別化アイテムとなっていること、また量販店間で地魚競争が激化する中で、地魚の中でもワングレード上のものを取り揃えられるか否かが重要になってきており、実態調査先の事例などでは、漁業者グループの取り組みが地元量販店にとって競争力強化の根拠となっていることが示された。また、取引される価格形成のあり方は生産者にとっても納得のいく方法を採用していることなどから、これまでの量販店主導型の価格形成のあり方に変化が生じつつあることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実態調査を中心に研究をすすめ、論文化も行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、卸売市場における雑魚流通の動向についてヒアリング調査や統計整理などをすすめていくと同時に雑魚を積極的に取り扱おうとする主体の実態調査も引き続き実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画的に使用したが、若干の次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
若干の次年度使用額を含め、現地調査や国際学会での発表などの旅費を中心に使用をすすめていく。
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