目的:現在の量販店主導の水産物流通では“雑魚”扱いとなる水産物を積極的に流通させようとする主体に注目し、雑魚流通の取引における垂直的な調整システムの実態と課題をフードシステムの構造変化の影響と関連付けて明らかにすること。 結果:最近は多種多様な前浜の“雑魚”を積極的に取りそろえることで激化する量販店間競争に勝ち抜こうとするローカルスーパーの増加に伴い、漁業者グループ等と直接取引も増加している。継続的な事例の中には売り手と買い手の個別交渉に基づき価格形成しているが、生産者側に価格決定のイニシアティブをもたせている例がある。だが、長期的にみるとスーパー主導型の産地取り込みが開始されているといえる。
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