研究課題/領域番号 |
16K18768
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
椙本 歩美 国際教養大学, 国際教養学部, 助教 (90648718)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | グリーンツーリズム / 農村起業 / 農村女性 / ライフストーリー |
研究実績の概要 |
2018年度は、英国バッキンガム大学客員研究員として同大学に在籍し、これまで行ってきた秋田県のグリーンツーリズムに関する研究を深めることができました。英国でのセミナー講演(バッキンガム大学)および米国での国際学会(117th Annual Meeting for American Anthropological Association)で口頭発表を行い、本研究に有効な概念枠組みや論点を見出すことができました。具体的には、秋田の農村女性起業家のライフストーリーの世代間比較を通して、農村や農家の変容を明らかにすることができました。とくに農村女性のアイデンティティ形成を中心に、より分析を深めることができました。これにより、秋田の農村の多様性や可変性について議論を深めることができました。 また英国での在外研究を通して、国内外の研究者とのネットワークをより広げられたことも、本研究を遂行するうえで重要な成果といえます。とくに国際学会の企画セッションでは、自身の研究発表だけでなく、米国の研究者と共同発表を行い、多くの知見を得ることができました。この企画セッションから、国際誌のSpecial Issueのなかで、本研究課題に関する論文を発表する準備を進めることができたことからも、本研究の発展性に有効な国際的研究ネットワークを広げることができたと考えております。 さらに、英国農村のグリーンツーリズムについても現地調査を行ったことで、日英の農村や農村起業について比較する視点や基礎知識を得られたことは、本研究を深めるうえで、非常に有意義であったと考えています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度、英国で在外研究をすることは、申請時に予定していなかったことだったため、当初の計画とは異なる研究活動を多く行うことになりました。とくに英国の農村での現地調査やセミナー発表は、当初の計画にはない研究活動でした。しかし海外での研究を通して、これまで国内での研究発表で得られたものに加えて、新たな視点や知識を多く得ることができました。これにより、国内外の既存研究をふまえた、本研究の独自性や意義について、より理解を深めることができました。また、国内外の研究ネットワークを広げることができた点も、本研究を発展させるうえで非常に有意義であったと考えています。このように、研究計画に変更はありましたが、研究をより深化・発展させる成果も得られたことから、おおむね順調に進展していると考えております。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、本研究の最終年度になるため、主に論文執筆を通して、研究成果のとりまとめを行います。具体的には、国際誌(Asian Anthropology)のSpecial Issueのなかで、本研究課題の成果をまとめた英語論文を投稿する予定です。また日本語での成果報告として、所属大学の紀要または村落研究ジャーナルへの日本語の論文投稿も行う予定です。最終年度は、論文執筆を軸に、必要に応じて追加調査を行う予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度、英国で在外研究をすることは、申請時には予定していなかったことであったため、当初の計画を変更せざるを得なくなりました。その結果、研究費の用途や支出額に変更が生じ、次年度使用額が生じることになりました。2019年度は、研究のとりまとめを行うため、主に日本語と英語での論文執筆や研究発表を行う予定です。そのために必要な、国内外での追加調査や研究発表のための旅費、および論文執筆に必要となる書籍代や諸費用として、繰越金および翌年度分として請求した助成金を合せた予算を使用したいと考えております。
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