研究課題/領域番号 |
16K18768
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
椙本 歩美 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (90648718)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | グリーン・ツーリズム / 農村起業 / 農村女性 / ライフストーリー |
研究実績の概要 |
2019年度の研究は主に、文献調査、データ分析、学会などにおける成果発表を中心に行った。まず、文献調査については、農村起業とくにライフスタイル起業家論について、概念や分析枠組みの理解および事例分析のレビューを行った。そのほか、日本の農村社会学や環境社会学の分野における、農村起業やグリーン・ツーリズムに関する議論のレビューを行った。また、農業や農村振興に関する政策のなかでのグリーン・ツーリズムの位置づけについても、調査を行った。すでに、2018年度までの現地調査によって大方のライフ・ストーリー採録を終えているため、2019年度はそのデータ分析を中心に研究活動を行った。 これまで分析した内容は、日本村落研究学会で研究報告を行い、そこでの議論や、2018年度に行った国際学会での発表をもとにして、英語と日本語で論文を執筆中である。2019年度の研究活動によって、問いや議論のテーマが明確化したことで、論文や文献調査についても、より具体的に進めることができた。 また、一般にも広く研究成果を還元する活動も行った。秋田県と岩手県でのワークショップ等で講演依頼を受け、広く実践者や行政職員と意見を交わすことができた。また秋田県内の2つの雑誌から寄稿依頼を受け、より分かりやすく知見を文章化して社会に還元することができた。学会や一般向けの成果発表を通して、論点や特徴を明確化することができ、そこで得た気づきは自身のデータ分析を進めるうえで役立っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献調査、データ分析、成果発表ともに、おおむね順調に進めることができた。学会発表や論文執筆を行う段階に入ったことで、よりテーマをしぼったり、新たなテーマを見出すなどして、文献レビューを効果的に進めることができた。分析を深める方向性が明確化したことは非常に良かったが、まだ執筆が完了していないため、次年度も延長して研究を進めていきたい。 また一般向けのワークショップ等で講演をしたり、秋田県内の雑誌からの寄稿依頼にこたえたことで、本研究課題から得た知見を、より広く社会に還元することもできた。このような取り組みは、今後もつづけていく必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、最終年度として、研究成果の発表を重点的に行っていきたい。そのためにも、文献調査、研究発表、論文執筆を主に行っていきたい。現在、英語論文2本と日本語論文1本を執筆中であることから、これらを年度内に完了して、ジャーナルの審査に出すことを最終目標とする。そのためにも、執筆に必要な文献調査を精力的に進めることと、現在入っている研究会(今年度はコロナ対策によりオンライン会議となることが見込まれる)で発表や議論を行い、執筆完了の目標を達成したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時には予定していなかった1年間の在学研究を、2018年度に実施したため、その間に本研究課題を十分に遂行できず、結果として繰り越し分が発生した。2019年度の研究活動では、その繰り越した科研費と当該年度分の費用を使い終わることができなかった。また、当初計画していた研究成果の発表(論文等)を完了することができなかったため、1年間延長して、研究課題への取組を続ける必要が生じたため。 2020年度には、研究成果の発表に注力する。具体的には、文献調査および研究会や学会を通して、議論や考察を深め、論文等の執筆を完了させる計画である。
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