農業農村整備事業において排水路に施工された環境配慮施設である「魚溜工」と「環境配慮型合流桝」は、魚類の退避場、越冬場としてはある程度機能するが、繁殖場となる環境はほとんど形成されないことが分かった。また、大規模な出水が起こった場合、排水河川に生息する個体も大部分が流失し、排水河川からの供給による個体数の回復は見込めず、水路内に繁殖・退避・越冬可能な環境を整備することが必須であることが明らかとなった。二つの工法を比較すると、環境配慮型合流桝の場合は合流水路の流れによって土砂の堆積が抑制され、越冬期に水深が確保された。
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