嫌気呼吸の主要酵素であるアルコール脱水素酵素をコードする遺伝子(ADH)の発現レベル変化を、青果物の低酸素耐性(あるいは障害発生)の評価手法として用いることの有用性を検証した。試料としてレタスとホウレンソウを用い、ADHの発現レベル、呼吸商(RQ)、エタノールとアセトアルデヒド含量を調査した。その結果、ADH発現レベルの変化から得られた好気呼吸と嫌気呼吸の転換点酸素濃度は、レタスで2%、ホウレンソウで1.5%であり、呼吸商転換点や発酵閾値よりも高かった。以上の結果から、ADH発現レベルは、青果物の低酸素耐性(障害)をより鋭敏に評価できる手法として有用であることが示された。
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