研究実績の概要 |
本研究では、ウズラの成長を支配する遺伝子座の解明にむけて以下の内容を実施した。1. 遺伝子座のマッピングに必要となる資源家系の造成では、体重に大きな差がある2つの系統を親世代とし、F1個体の全きょうだい交配からF2を生産した。この中で、F2の個体数を前年の154個体から383個体まで増加させた。2. 資源家系のF1ならびにF2個体に関して、成長形質(体重ならびに脚長)を測定しデータを収集した。親世代のデータ収集については前年度までに完了したが、さらにF1の全ての個体に加えて一部のF2個体についてもデータ収集を完了した。3.これまでに親世代の2系統の間で、遺伝子座のマッピングに使用できるDNAマーカーとして約40,000のSNP(一塩基多型)をRAD-seqにより特定した。今後実施する予定であるF2個体のSNPの遺伝子型の判定のために、一部の個体に関して血液試料の採取とDNAの抽出を行った。以上のように、本研究ではウズラの成長を支配する遺伝子座の探索を最終的な目的として、資源家系の整備と成長形質のデータ収集に関しては、F2世代まで大きく進めることができた。今後の課題としては、F2個体のSNP部位の遺伝子型の判定が挙げられるが、既に本研究の成果によって、親世代の2系統間で多数のSNPの遺伝子型に違いがあることが明らかになっているため、今後ウズラの成長を支配する遺伝子座のマッピングが可能になると考えられる。
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