研究課題/領域番号 |
16K18784
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
井尻 大地 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (50551090)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | FOXO転写因子 / アドレナリン / 骨格筋 / マイクロRNA |
研究実績の概要 |
本研究では、β2アドレナリン受容体(β2-AR)シグナルによる転写因子FOXO1の発現調節メカニズムの解明を目的としている。H28年度は、β2-ARにより活性化され、FOXO1 mRNAの発現量を減少させるシグナル経路の検討を行った。先行研究より、β2-ARにより、CREB-PKA経路、AKT経路、およびp38MAPK経路が活性化されることが報告されていたので、これらの3経路に焦点を当てて研究を進めた。C2C12培養筋管細胞に対するβ2-AR作動薬(クレンブテロール)刺激は、先行研究と同様に、CREB-PKA経路、AKT経路、およびp38MAPK経路を全て活性化させた。続いて、CREB-PKA経路、AKT経路、およびp38MAPK経路の阻害剤(H89、Triciribine、およびSB203580)でそれぞれ前処理したC2C12培養筋管細胞に対するクレンブテロール刺激の影響を検討した。その結果、CREB-PKA経路およびAKT経路を阻害してもクレンブテロールは、FOXO1 mRNAの発現量を減少させたが、p38MAPK経路を阻害するとクレンブテロール誘導性のFOXO1 mRNAの発現量の減少は認められなかった。これらの結果から、クレンブテロールによるβ2-ARの活性化は、p38MAPK経路を介して、FOXO1 mRNAの発現量を減少させることが示唆された。今後は、p38MAPK経路の活性化とFOXO1 mRNA発現量の減少を仲介するメカニズムを解明する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、ほぼ実験計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度は、β2-ARは、p38MAPK経路を介して、FOXO1 mRNAを減少させることを明らかにした。H29年度は、p38MAPK経路の活性化とFOXO1 mRNAの減少を仲介するメカニズムの解明を目的として、FOXO mRNAの分解に関わるマイクロRNAの発現変動に注目して研究を進める予定である。
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