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2016 年度 実施状況報告書

右心機能に心エコーがどこまで迫れるのか?-肺高血圧症モデルを用いた検討-

研究課題

研究課題/領域番号 16K18800
研究機関北海道大学

研究代表者

中村 健介  北海道大学, 獣医学研究科, 助教 (80625898)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード肺高血圧 / 右心機能 / strain
研究実績の概要

平成28年度は正常な犬を用いて、心エコー図検査の右心機能指標の再現性評価ならびに正常値の設定を行った。再現性の評価は実験動物として飼育している正常なビーグル犬6頭を用いて、変動係数、ICCを算出した。その結果、本研究の主なターゲットである右室strainを含む主要な右室機能指標は犬においても良好な再現性を有する指標であることが明らかとなった。正常値の設定には、本学附属動物病院に来院した症例犬のうち、麻酔前検査として心エコー図検査を実施した犬117頭を用いた。当初は体格による差異が少ないと思われていたstrainも体格と正の相関を示すことが明らかとなった。これらの知見は今後肺高血圧の臨床例で実施してゆく上で貴重な情報である。ここまでの結果をまとめ、現在Journal of Veterinary Cardiologyに投稿し、査読を受けている最中である。現在major revisionという評価を受けているが、今年度中にacceptされると見込んでいる。
また、肺動脈収縮薬であるU46619を用いた薬剤誘発性肺高血圧症モデル犬の作成も行い、現在心エコー図検査ならびに心臓カテーテル検査を実施し、データを解析している最中である。現在までの所、数ある心エコー図検査の右心機能指標の中で、右室strainが最も高い精度で肺動脈圧、肺血管抵抗、心拍出量、といった心臓カテーテル検査での血行動態指標を予測し得る結果が得られており、概ね順調に研究を遂行することが出来ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

先の研究課題である「左心房機能解析」の経験を踏まえ、研究チームが成熟しあらゆる行程がスムースに動くようになったため。

今後の研究の推進方策

本年度は薬物誘発性の肺高血圧症モデルを作成し、心エコー図検査と心臓カテーテル検査を実施し、肺動脈圧、肺血管抵抗、心拍出量、といった心カテーテルでしか知り得ない血行動態指標をあらわす心エコー図検査指標を探る。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 右心機能評価による心不全の新しい予後評価:右心を通してその先を見る2017

    • 著者名/発表者名
      中村健介
    • 学会等名
      第13回日本獣医内科学アカデミー
    • 発表場所
      パシフィコ横浜・神奈川県横浜市
    • 年月日
      2017-02-17 – 2017-02-17
    • 招待講演
  • [学会発表] Post-capillary肺高血圧症ではPre-capillary肺高血圧症ほど右室機能指標は減弱しない2016

    • 著者名/発表者名
      森田智也、中村健介、他
    • 学会等名
      第105回日本獣医循環器学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場・福岡県福岡市
    • 年月日
      2016-12-04 – 2016-12-04
  • [学会発表] 呼吸器疾患に関連した肺高血圧の治療2016

    • 著者名/発表者名
      中村健介
    • 学会等名
      第105回日本獣医循環器学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場・福岡県福岡市
    • 年月日
      2016-12-04 – 2016-12-04
    • 招待講演
  • [学会発表] 肺高血圧モデル犬を用いた右室dyssynchronyの成因に関する検討2016

    • 著者名/発表者名
      中村健介
    • 学会等名
      第115回日本循環器学会北海道地方会
    • 発表場所
      北海道大学・北海道札幌市
    • 年月日
      2016-06-25 – 2016-06-25
  • [学会発表] 間質性肺疾患による重度肺高血圧症を呈したウェルシュ・コーギーの2例2016

    • 著者名/発表者名
      森田智也、中村健介、他
    • 学会等名
      第104回日本獣医循環器学会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ・埼玉県さいたま市
    • 年月日
      2016-06-18 – 2016-06-18

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公開日: 2018-01-16  

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