哺乳類卵母細胞は、体細胞に囲まれた卵胞として発育を開始し、成熟後に排卵するが、その過程で発育を始めたうち99%以上が選択的に消失する。しかし、その選抜機構はほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、卵母細胞の休眠維持と活性化機構の解明を目的とした。まず、酵素処理を必要としない卵胞の分離法を開発することで、効率的に卵胞を回収することが可能となった。次に、分離した卵胞における卵母細胞核の形態を観察し、休眠/活性化状態との関連を解析した。その結果、休眠している原始卵胞における卵母細胞核はユークロマチン形態を示すことから、卵母細胞の休眠にはクロマチン形態が関連することが示唆された。
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