研究実績の概要 |
本年度は都市郊外の木質バイオマス総合利用に関してデータの取得や解析を行うとともに、海外先進事例の調査を実施した。具体的には以下のとおり。 ・千葉県柏市を対象として、里山、公園緑地、住宅地内の緑地、建設発生木材等によるバイオマス総合利用について、総合利用時の発生量の推定およびFiT政策(固定価格買い取り制度)を用いたときの経済性に関する評価を実施した。また関連の議論が欧州、とりわけオーストリアで進んでいるため、共著論文執筆のための研究打ち合わせを、オーストリアの専門家(Dr. Viktor Bruckman, Austria Academy of Science)と実施した ・さらに、とくに里山に関しては、東京近郊の里山およびオーストリア・ウィーン近郊の里山を対象としたバイオマス生産性の比較分析に関して論文をまとめるとともに(Bruckman, Terada, Fukuda, Yamamoto, Hochbichler, 2016)、東京近郊における市民による管理の実態と、様々な管理団体による発生量の実態把握を実施し、論文にまとめた(小林・寺田・山本、2017) ・海外先進事例調査をウィーンおよびロンドンで実施した。ウィーンでは小規模バイオマス熱利用の事例を複数調査し、ロンドンでは都市林業およびCroydon TreeStationの調査を行い、バイオマスの中間処理および都市部での熱利用に関する最新の知見を得た
|