本研究では、海岸から比較的近い内陸部に特徴的に出現する沿海生植物に着目し、内陸部棚田との比較から沿海地棚田の畦畔草地の野生植物種にとってのハビタット評価を行った。特に沿海地棚田である白米千枚田では、ハマツメクサ、ヒオウギ、ツボクサ、ハマボッス、キリンソウ、エゾカワラナデシコ、オニヤブソテツといった沿海生植物種が特徴的に出現し、同じ地区内の棚田景観内でも海岸線からほど近い(10m内外)範囲に集中することが判明した。またササ類およびクズの繁茂による偏向遷移に対して、植生管理により生育地の光環境改善を図り、希少種保全および生態系サービスの向上が図れることが示された。
|