従来の0価パラジウム触媒を用いたアリールC-グリコシド合成では、官能基化されたグリカールとハロゲン化アリールをそれぞれ合成後、カップリングする反応に限られていた。もし、グリカール誘導体から発生させたπ-アリルパラジウム種をアルキン類の環化反応に用いることができれば、複素環の構築と同時にC-グリコシド化を達成できるため、効率的なC-グリコシド合成法になる。また、アリールC-グリコシドの中には2型糖尿病治療薬であるダパグリフロジン(フォシーガ)に代表されるように興味深い生物活性を持つものが多いため、本研究で得られたアリールC-グリコシドは医薬品のリード化合物としても期待される。
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