研究課題/領域番号 |
16K18861
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安藤 英紀 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 特任助教 (00735524)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | エキソソーム / 抗がん剤 / ドキソルビシン / Doxil / がん治療 / ExoQuick / 超遠心法 |
研究実績の概要 |
抗がん剤投与による血清中エキソソーム分泌変化をin vivoで評価することを目的とした。平成28年度の検討では、モデル抗がん剤としてドキソルビシン(DXR)を用い、健常マウスにDXRあるいはDXR封入リポソーム製剤であるDoxilを静脈内投与した後の血清中エキソソーム分泌変化を評価した。 BALB/cマウスにDXRあるいはDoxilを静脈内投与し、その24時間後にExoQuickを用いて血清中エキソソームを回収した。エキソソーム量はタンパク定量により測定した。無処置群と比較し、DXR投与群において血清中エキソソームの有意な上昇が認められた。一方、Doxil投与群ではその上昇が見られなかった。エキソソーム回収法として超遠心法でも同様の検討を行ったところ、DXR投与においてのみ有意な血清中エキソソーム量の上昇が認められた。DXRあるいはDoxil投与後に回収した血清中エキソソームの物性を評価したところ、いずれも100 nm前後の粒子系を示し、エキソソームのマーカーであるCD9、CD63、TSG101の発現レベルも同程度であった。 次に、BALB/cマウスの脾臓を摘出した脾摘モデルを作成し、DXRあるいはDoxilを静脈内投与した後の血清中エキソソーム量を測定した。その結果、興味深いことに、脾摘モデルにおいてDXR投与による血清中エキソソームの分泌上昇が完全に消失した。Doxil投与においても血清中エキソソームの上昇は認められなかった。脾臓には多くの免疫細胞(B細胞、T細胞、樹状細胞など)が存在し、またエキソソームは種々の免疫細胞から主に分泌されることが報告されている。これより、DXR投与は免疫細胞由来エキソソームの分泌を増加させることを明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した、抗がん剤投与によるin vivoでのエキソソーム分泌変化を評価することができ、また遊離型抗がん剤とリポソーム型抗がん剤でエキソソーム分泌変化に差があることを明らかにしたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度では健常マウスを用いて抗がん剤投与によるエキソソーム分泌変化を評価した。平成29年度ではがん細胞を皮下移植した担がんマウスモデルを作成し、これを用いて抗がん剤投与によるエキソソーム分泌変化の評価を進める。
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