本研究では結晶多形に特異的なスペクトルが得られる低波数領域ラマン分光法を用いて、錠剤中に含まれる原薬結晶多形の定量を目的とした。そのため、従来の後方散乱型と比較して定量性が高いことが知られる透過型へと改良し、これまで測定されていない透過低波数ラマンスペクトルを取得した。カルバマゼピンI形およびIII形をモデルの結晶多形とし、それらを所定比混合した錠剤を測定サンプルとした。実際の含量と部分最小二乗法(PLS)により求めた予測含量との関係を検量線としたところ、開発した透過法はRMSECV=3.9であり拡散反射法(RMSECV=4.9)よりも誤差が小さく、定量性に優れていることを明らかにした。
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