L-PGDSの酵素反応モデルで、基質・生成物が2分子結合することは全く考慮されてこなかった。本研究では、1)従来のモデルにない新しい概念(2つの結合サイト・生成物放出)を加えた新規酵素反応モデルが構築し、これまで着目されていなかった親和性の低い結合サイトでの基質認識が生成物の産生速度に影響を与えることを示した。2)L-PGDSの活性中心のみをターゲットにした阻害剤の効果が弱い原因を解明し、さらに、新規結合部位における基質や生成物側の認識に重要な部位の同定とタンパク質側の認識に関与するアミノ酸を同定した。これらの情報は、新たに生成物放出メカニズムをターゲットとした新規薬剤の開発につながるだろう。
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