先進諸国おいて癌による死亡者数は増加の一途をたどり、癌の治療は未だ大きな課題である。同じ組織由来の癌であっても各個人の間で有効な治療法が異なることが明らかにされ、新たなターゲットに対する抗癌剤の開発が待ち望まれている。これまでに癌細胞が低栄養等のストレスに耐性化する機構をターゲットにした抗癌剤は開発されていない。そこで本研究により明らかにされつつあるBAP31を中心にした小胞体膜上でのダイナミックなシグナル伝達機構を解析し、新たなオートファジーの制御機構を解明することで、癌細胞特異的に低栄養ストレスに感受性化させ、転移を防ぐような癌の治療ターゲットの発見が期待される。
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