家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は,トランスサイレチン(TTR)の変異体が細胞外に分泌された後に、アミロイド線維を形成し、全身諸臓器に沈着する疾患である。我々は、変異型TTRを細胞内で分解し、細胞外への分泌を阻害することでFAPの発症を抑制する治療薬の開発を目指している。本研究では、その創薬標的であるTTR四量体化阻害剤のシーズ探索をファージディスプレイ法を用いたペプチドリガンドスクリーニングにより行った。スクリーニングの結果、TTRに結合する3種類の環状ペプチドを同定し、うち2種類の環状ペプチドはTTRの四量体および単量体構造を不安定化することを明らかにした。
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